だーめーおーやーじくらぶおんらいん

だめなおやじのおんらいんくらぶです。入退会おーるふりーです。

節分の豆は数え年の数だけ食べるけど、数え年ってそもそもいつからそう呼ぶようになったの?

子どもの頃、家族それぞれ用に豆を数えさせられた。普段使う満年齢に1個足したり、2個たしたり。あれで数え年という概念の存在を理解したように思う。

ところで、この数え年のことを「数え年」って言うようになったのはいつからなんだろうか。

■数え年 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E3%81%88%E5%B9%B4

Wikipediaによれば東アジアでは旧暦において数え年が使われてきたが、現在では韓国のみが公式にも数え年で、ほかは満年齢を使うそうな。現代中国語では「数え年」=「虚歳」、「満年齢」=「週歳」・「実歳」・「足歳」。韓国語では「数え年」=韓国ナイ(ハングンナイ、ナイ=年齢)、「満年齢」=「満ナイ(マンナイ)」。台湾でも年配の方は「台湾歳(数え年)」で、満年齢のことは「日本歳」と呼ぶらしい。

■KOH blog(コブログ): 韓国で年齢を数える=‘数え年’
http://koh.blog.eonet.jp/kohblog/2009/01/post-db46.html

■Cafe de Taipei 台北カフェ  台湾歳? 日本歳?
http://dotch88.blog60.fc2.com/blog-entry-585.html

これらもいつからそう呼ぶようになったのか私は知らないのだが、本題の、日本で「数え年」という呼び方をするようになったのはいつからなのだろうか?

Wikipediaのつづきには、

日本でも古くから数え年が使われていたが1902年12月22日施行の「年齢計算ニ関スル法律(明治35年12月2日 法律第50号)」を受け、満年齢を使用することとなった。

しかし一般には数え年が使われ続けたことから、1950年1月1日施行の「年齢のとなえ方に関する法律(昭和24年5月24日 法律第96号)」により

国民は、年齢を数え年によつて言い表わす従来のならわしを改めて、年齢計算に関する法律(明治35年法律第50号)の規定により算定した年数(一年に達しないときは、月数)によってこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない。

と国民には満年齢によって年齢を表わすことを改めて推奨し

国又は地方公共団体の機関が年齢を言い表わす場合においては、当該機関は、前項に規定する年数又は月数によつてこれを言い表わさなければならない。但し、特にやむを得ない事由により数え年によつて年齢を言い表わす場合においては、特にその旨を明示しなければならない。

と国・地方公共団体の機関に対しては満年齢の使用を義務付け、数え年を用いる場合は明示することを義務付けた。

とあって、20世紀に入ったあたりで満年齢の概念が法制化され、戦後の1950年に「年齢=数え年」から「年齢=満年齢」へと法律で規定されたことはわかった。ちなみに「年齢計算ニ関スル法律(明治35年12月2日 法律第50号)」には「数え年」や「満年齢」という用語は使われていない。

■明治三十五年法律第五十号(年齢計算ニ関スル法律)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M35/M35HO050.html

江戸時代までは「満」とか「数え」とかの区別はなくて「年齢=数え年」だったわけだから、西洋の太陽暦と満年齢という概念が輸入された幕末から明治にかけて誰かが発明して広めたんではないかと推測。でももともと「数え年」という言葉が古来からあって、「年齢」という言葉が太陽暦とセットで輸入されたという可能性もあるよな。

夏目漱石の「坊ちゃん吾輩は猫である」(初出年: 1905)なんかでも「数え年」という言葉が使われているので、すくなくとも20世紀初頭には一般的に使用される言葉であったということはわかる。

■数え年 - 青空文庫全文検索 Aozora Bunko Full-Text Search
http://www.su-ki-da.com/aozora/search?query=%BF%F4%A4%A8%C7%AF

主人の第三女などは数え年で三つだそうだが、智識の発達から云うと、いやはや鈍いものだ。

ネットではこれ以上どう探せばいいかわからん。図書館のレファレンスサービスで聞いてみたらわかるかな?

■レファレンス協同データベース
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/common.Controler

「数え年」や「数え」で検索してみても希望の情報はなかったので、実際聞いてみるしかないかな。東京都立図書館は「東京在住」または「東京在勤」の個人からの質問をEメールで受け付けてくれるし。

■Eメール レファレンス受付
https://www.library.metro.tokyo.jp/16/16b00.html

あと、もし誰か知ってる人いたら教えてください。よろしくお願いします。

ほな、また。

(2010/2/27追記)

東京都立図書館Eメール レファレンス受付で聞いてみた。当時の辞書への「数え年」掲載状況と、最近の辞典の「数え年」の項目に記載があった例示文書を調べてくださった。

回答は非公開にせよとのお達しなので残念ながら詳細は書けませんが、1800年代の辞書には「数え年」が掲載されておらず、例示のあった文書は1903年初出のものでした。この文書でも説明なしに「数え年」を使っていたので、この時点では一般に認知されていたと考えて良い。

したがって「数え年」が1902年前後に成立し、1903年には一般にひろまっていた言葉であるというのはかなり確からしい感じ。しかし、誰がいつ、最初に「数え年」という言葉を定義したのかはやはり不明のまま。

あとは国会図書館で1900年以降発行の辞書や1902年前後の新聞のマイクロフィルムとか暦とか当時の人の書簡とかチェックする流れなんだろうけど、さすがにそこまでやる気はないので、気になった方がいたらやってみてください(他力本願)