だーめーおーやーじくらぶおんらいん

だめなおやじのおんらいんくらぶです。入退会おーるふりーです。

講演:改題:ニコニコ動画≒ゲーム説 −「ニコニコ動画は2007年最大ヒットのオンラインゲーム?」

事前インタビュー@4gamer
http://www.4gamer.net/games/033/G003334/20080304041/
WIREDの連載の関連記事(第3回「Twitter」と「ニコニコ動画」の共通点(2):ニコニコ動画編)
http://wiredvision.jp/blog/hamano/200706/200706070951.html

【概要】

  • WIREDのニコ動に関する連載での「擬似同期」論への突っ込みとニコ動運営によるバージョンUP
    • 分析もVer.UPさせる
  • 「環境(アーキテクチャ)」を共通するゲームとWebを分け隔てなく見る
    • OGC自体がそう(今年から「&コミュニティサービス」となった)
  • ニコ動=MMO-Virtual-RTS
    • 「文字」というキャラクターを動かして、ネタを発見しつくすゲーム
    • 上級者はネタを作り出すゲーム
  • Lv.0 コメントオフ
    • =不参加
  • Lv.1 リアクション reaction
    • たまたまコメOFFしわすれて流れてきたコメントについ反応(「ちょwww」とか)
    • 「笑いましたよ」という表現
  • Lv.2 敵情報告 information
    • コメントで「タグが秀逸」→他ユーザーにタグへの注意を喚起
    • 市場のネタ商品を買った人がいるのをコメントで報告
  • Lv.3 支援・保守
    • 「職人」への第一歩
    • 「職人」のコメントが流れたのを見よう見真似で補完
    • ニコ動の擬似同期はいつまでも同じではない仕様(1000コメ程度)
  • Lv.4 職人(最前線)
  • 突然のクラスチェンジ
    • 例:「Nice boat.
    • ネットのネタ空間の特性
  • レベルデザイン
    • スキル高&少人数の「Lv.4 職人」からスキル低&多人数の「Lv.1 リアクション」まで
    • どう共存させる?

→圧倒的に初心者(Lv.1)に親切

      • 逆に言うと、そのインターフェイスですごいコメントを作る職人は「すごい」(ということがみんなにわかる)

→Webデザインの基本路線「ユーザビリティ」ではなく、ゲームの論法で考えると理解できる

  • タグ=瞬間同期
    • タグの一覧は動画再生中は固定→擬似同期との違い(起こっている変化がまわりからは見えない)
      • 自分の作ったタグが他のユーザーに保守されて流通する快感
      • うp主が★を付ける「殿堂入り(瞬間→永遠)」の期待
    • 原始的なチャットと同じ→実際、チャット状態になることも
  • ポリクロニック型アーキテクチャ
    • 「動画+コメント」:擬似
    • 「タグ」:瞬間
    • 「時報」:真性(時間よ止まれ)
    • アテンション・エコノミーをひとつのページ内に凝縮
    • 複数の時間が多元的に流れる

→意図せざる「ネタ」を生み出す

  • ゲームに生かすには?
    • 擬似→時間に縛られない
    • 文字→誰でもなれている入力
    • 仮想空間→仮想時間へ
  • Webへ生かすには?
    • 初心者を大事にせよ
      • かんたん重要
      • かんたんに参加しただけでコミュニティ活性化する構造(間口をひろく)
    • キャズム=上級者しか使わない
    • ウィル・ライトの「エコシステム」の設計思想
  • テレビへ生かすには?
    • テレビは共通知識。それをあてにネタ化している
    • ニコ動のアーキテクチャは「認知の強制スクロール」(動画自体は「何でもいい」)

【感想】

  • 漠然と思っていたこと、思っても見なかったこと含め、ニコ動の現状についてユーザー体験をベースに言語化してもらったのはありがたい
  • 「初心者にやさしい」ということが、単にインターフェイスの容易さだけではなく、そこで体験することまで含めたレベルデザインとしての「やさしさ」が求められるということを考え直す
    • 「やさしい」参加だけでも場が盛り上がり、モチベーションがあがり、サイト自体が活性化する仕組み
  • 時間軸でコンテンツを考えるポリクロニック型アーキテクチャの発想でサービスを見直してみる(宿題)
  • ニコ動分析も含め、これからもがんばっていろいろ発信していって欲しい人です