基調講演:オンラインゲーム CROSS BORDER
事前インタビュー@4gamer
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20080314042/
【概略】
- 松原氏は昨年までオンラインゲーム部門のTOP、今年から全社のTOPに
- 市場動向の分析
→当面、キャッチアップどころかさらに差が広がる
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- 韓国は2005年までの伸び率も高かったが2006年にかけてさらに倍増した
- 日本も2004年→2005年(+180%)→2006年(+40%)と高成長ではある
→PC、ケータイはプラットフォーム同一でこうなる。コンソールでは同じ世代でこの伸びはありえない
→ただし、集計主体によって額がバラバラ(208億〜1015億)な問題
- (日本の)OGはおどり場にある
- 「基本無料、アイテム(プレミアム)課金」に偏るビジネスモデル
→「地上波TVモデル」へ向かうのか?
→コンテンツを楽しんでいるお客様から直接対価をもらうモデルを長く続けてきたが…
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- 他のサービスに追い抜かれている
→SNS:mixi(1331万人)、動画共有:ニコ動(600万人)、Mobile:モバゲー(800万人)
→どうくっついていくのかを考える時期に来ている
- まとめ:OGはどこへ?
- コンテンツ+サービス
- ビジネスモデルはユーザーの選択
→ユーザーそれぞれが「これは無料、これならお金払う」というものさしを持っている
(地上波/PPV/定額)のハイブリッド
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- 心地よいおせっかいサービス
→OpenIDをもっともっと発展したものというイメージ
→ユーザー行動・滞在等の分析でサービスをパーソナライズ(マッチング等)
→サービスとサービスをつなぐプロファイル
- コーエーのとりくみ:MMORPG4本の実績
- 信長Online:30万人(課金5.5万人)
- 大航海時代Online:25.5万人(課金2.7万人)
- 真・三国無双Online:-(課金-)※運営は別会社のためデータなし
- 三国志Online:12.5万人(課金2万人)
→2008年からの三国志で新規に2万人(他のサービスへの影響は軽微)
→MMORPGはまだまだ伸びる。他社さんもがんばってもりあげて欲しい
【質疑】
Q1.日本の(世界でも)OGはこれから難しい局面。
(1)産業全体として何をすれば?
(2)コーエーとしてはどうするのか?
A1.大変おおきいご質問。
(1)インフラは整った(日韓がTOP2)
健全性をもって伸びるために、インターネットの問題への対応が必要
-他の人(ネットに触らない人)から何やってるかわからないので警戒される
-「おもしろい」だけでは突破できない問題。「健全性」をはっきり示す
(2)安心してプレイできる環境の提供
→それだけではやってる本人だけが安心(まわりに対してはまだ)
-各大学とシリアルゲームの有効性、教育効果など共同研究
【感想】
- 市場動向の分析から
- 日本市場の伸びしろはあるが、松原氏の言うとおり、「ユーザーの選択」として伸びていない現状がはっきりしている
- 他のオンラインサービスに対する認識はさすがに正鵠を射ている。とくに「心地よいおせっかい」という方向性自体は賛同できる
→ただ、「おせっかい」だと認識された時点で心地よくなくなるので、
(1)コンテンツプッシュの発想が強すぎる
(2)ユーザー側のコンテンツ作成に資するサービス提供という観点が弱い
という感想を持った。
→ライフログの一部としてのゲーム履歴を「囲いこむ」のは愚の骨頂。たとえば、せっかくOpenIDに着目したのだから、自前でコミュニティポータルを持つことに固執せず、「どのSNSやブログサービスでも使えるゲームリプレイ再生ツール」とか提供して、外部のコミュニティ内に自分とこのゲームのユーザーがコミュニティを作り、勝手にプロモーションしてくれるようにすればいいんじゃないかと。
(コミュニティはユーザー獲得&維持の手段であって収益に直結はしないでしょ?)
そのリプレイツールで再生できる状態を維持するためにアカウントを継続してくれれば儲けもの。このあたりは新氏が言及していたFacebookのエコシステムに学ぶべき